就職活動

19年卒就活生が語る工作機械業界

投稿日:

ごきげんよう、アリトシです。

もう12月なので大学3年生や修士1年生は就職活動が水面下で活発に行われてくる時期なんじゃないかと思います。
私も一年前から就職活動を行いました。売り手市場やインターンシップについて就職活動で感じたことを先日記事にしましたね。
そして、前回は化学・繊維素材業界について就活を通して感じたことを記事としてまとめてみました。

19年卒から見た今年の就活事情を話してみる

ごきげんよう、アリトシです。 今年に私が経験した就活について雑感を書いてみようと思います。 就活生の方は参考にしていただければうれしいです。 社会人の方はこんな風に考えているんだーくらい気楽に読んでみ ...

続きを見る

19年卒就活生が語る化学・繊維素材業界

ごきげんよう、アリトシです。 もう12月なので大学3年生や修士1年生は就職活動が水面下で活発に行われてくる時期なんじゃないかと思います。 私も一年前から就職活動を行いました。売り手市場やインターンシッ ...

続きを見る

今回は第二弾、工作機械業界編です。

私が就職活動で選考に参加した主要3業界のひとつ、工作機械業界についてお話します。
結局、就職先になることはなかったので詳しいことは分かりませんが就活生視点での情報をお届けします。

工作機械はモノを作るための機械 マザーマシン

機械系出身の方以外はそもそも工作機械とはなんぞや?という方が多いのではないでしょうか。
工作機械とはモノを作るための機械でありマザーマシンとも呼ばれます。和製英語です。
近頃有名なのは3Dプリンターじゃないでしょうか。3Dプリンターの場合は熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を積層することで3DCADで作成したデータを三次元的に出力する製品です。
実物の姿かたちがわかるので試作にピッタリな製品ですね。3Dプリンター自体は生産コストや生産量の問題から大量生産にあまり向いていないのでそこまで万能ではありません。便利ですけどね。

むしろ一般的な工作機械は汎用工作機械と呼ばれる旋盤やフライス盤といったモノ達です。金属棒に穴を空けたり、平面を削ったりと除去加工が出来ます。
機械製品はこうした金属加工によって設計に合わせた部品が生産され、それらを組み立てることで出来ていきます。

とはいえ今の主流は自動加工を行うマシニングセンタです。マシニングセンタは自動で加工に使う治具の切り替えを行い、あらかじめ設定された通り動作を行います。
マシニングセンタのメリットは自動化による再現性と24時間作業をしてくれる稼働率の高さです。
汎用工作機械は機構が複雑化していない分頑丈なのが特徴です。

厳しい精度が要求される職人さんにしか出来ない加工も存在します。一方で安く大量に同じものを要求される製品では自動化された製品に軍配が上がります。
職人さんにしかできない技術は存在し続けると思いますが、機械化・自動化された加工が世界の中心になっているのは間違いなく、世界市場が伸びる限りマシニングセンタも伸びていくでしょう。

工作機械メーカーはとても知名度が低い

工作機械メーカーでは森精機、オークマ、ヤマザキマザック、アマダ この辺りが主要企業になります。
上述した企業は工作機械の中でもマシニングセンタやプレス機を製作しているメーカーですね。前回、記事で取り上げたファナックも工作機械メーカーの1つとも考えられます。

ファナックとキーエンスの高年収メーカー社員に聞いてみた

ごきげんよう、アリトシです。 就職活動をするにあたって誰もが気になるのが年収ですよね。働くからにはお金はたくさん欲しいですし、どうせならあまり忙しすぎない会社ならなおのこといいですよね。 生きるのにお ...

続きを見る

正直なところ工作機械メーカーはCM露出がものすごく少ないです。年末年始の期間に就活生向け広告として森精機がCM広告を出していたくらいしか目につきませんでした。
工作機械とは少し違いますが軸受メーカーのNTNが同時期に広告を出していたのが印象的でした。NTTではありません。

というのも工作機械メーカーはBtoBメーカーなのでCM広告をうつ意味があまりないんですよね。
一般消費者向けの製品は作っていないのでうま味ゼロです。中小企業の小さな工場でも何かを加工するには工作機械は必要ですので、国内市場に関しては十分にユーザーに認識されています。
むしろ工作機械の展覧会であるJIMTOFなどに集まった顧客に対してしっかりと営業を仕掛ける方が効率がいいです。オリンピックの展示会問題の影響を特に受ける業界の1つだと思います。

工作機械は景気変動の影響をものすごく受けやすい

工作機械業界は設備投資の対象なので景気変動の影響をものすごく受けます。
自社製品が売れて生産が追い付かない時は設備や工場を増設し生産力を増強するので工作機械は売れます。
しかし、リーマンショックの時のように多くの企業が業績不振に悩まされ製品が売れていない状況では生産力も持て余しますし、投資するだけの余裕も回収の目途も立たないので工作機械は売れません。
そうした背景もあって工作機械業界の売り上げ高は景気指標として扱われるほどに景気に左右されます。

なので工作機械業界は安定とは縁遠いです。安定を求めるのならば食品業界や製薬、医療といった生活必需品の業界を選択するといいでしょう。
とはいえ工作機械がなくなることはまずありません。SFによくある電子情報上の世界で生きる世の中になってもメンテナンスの観点から部品は必要なので工作機械も必要です。
そんな未来はずっと先ですが現在ではIoTの発達から工場全体の最適化が一つのトレンドでありオートファクトリー化など大きな転換期を迎えていると言ってもいいかもしれません。

電気・情報系を欲しがる工作機械業界

まず、工作機械業界にどういった専門性を持つ学生が応募するかというと基本的に機械系出身の学生の割合が多いです。
産業機械が他の学生にとって縁遠いのに対して大学内での実習などで使用する機械系学生にとっては身近な存在です。
私も機械系でモノを作る機械で産業を支えるとかカッコいい!なんて理由で選考に参加していました。安直ですね。

工作機械業界はやはり機械系出身の割合が高いですがそれだけで成り立つほど簡単でもありません。
動力として電気を扱う以上電気系の知識は必要ですし、現在の高度に自動化した機械においては電気系の重要度は昔に比べて上がっているといっていいでしょう。
また、先述したように現在の工作機械業界ではIoTによる複数の工作機械の全体管理や制御が重要性を増しています。つまり情報系に精通した学生の需要は高いのです。

同じような待遇の企業の場合、電機メーカーと工作機械メーカーでは倍率がやはり違うのでお得です。
情報系の学生は正直どこでも欲しがられているんじゃないかと思います。同様に工作機械業界でも需要はあるという話ですね。
工作機械業界に就職する場合はITエンジニアとしての主流とはやや異なるのでWEBサービスで世界を変えたい!と考える方には向いていないかもしれません。

実力に対して割のいい就職先を見つけるコツは需要はあっても応募の少ない業界を攻めることだと思うので専攻にとらわれ過ぎずに色々な業界を調べてみるのがおすすめです。

工作機械業界のトレンドは付加化工技術

工作機械業界でどの企業も熱心に研究されているのは付加化工というものです。
これは金属3Dプリンターに近い技術です。今までの工作機械は金属材料を切ったり削ったりして加工してきたので平面や曲面で構成された幾何学的な加工が中心でした。
しかし、付加化工は金属粉末をビームで溶かし、積層していくので従来品以上に加工の自由度が向上しています。

そのため従来では考えられないような有機的な構造の成形にも成功し航空宇宙などのコスト以上に重量や性能が重視される一部産業において革新が起きるかもしれません。
また、いままでは部品が欠けるなどで物理的に破損した場合は除去加工しか出来なかったので交換するほかありませんでした。
しかし、付加加工技術が発展すれば欠損部分を補填することも可能になりコスト削減につながるかもしれません。
また、加工の難しい材料をに対して除去加工以外のアプローチが生まれたことで今まで使用されてこなかった材料の新分野での採用の可能性もあります。

この付加化工技術にはレーザーやセンサー性能が重要になってくるので機械系専攻よりも物理系専攻の方の重要性が高いかもしれません。

工作機械業界はの待遇は?

工作機械業界はそんなに高年収ではないです。
売上高1位の森精機の平均年収が750~800万円くらいです。
二番手のオークマの平均年収は650万円です。ヤマザキマザックは非上場企業なので詳細は不明ですが社員の方からは600万円程度と聞きました。
業界を代表する企業で600万円台というのはあまり魅力的ではないです。
もう一つは景気によって業績が上下するのでボーナスが安定しないことです。さすがにリーマンショックの時期には受注額がガクッと落ち込んだためボーナスも減らされたようです。

お金が欲しいのならば外資系コンサルや広告といった文系就職をオススメします。
お金が欲しいけどメーカーが絶対にいい!というなら自動車メーカーに行きましょう。待遇面ではメーカートップ業界と言っていいと思います。
日揮やIHI、千代田化工建設といったプラントエンジニアリング企業も高年収な傾向があります。長期出張や海外勤務が多いですが……
安定感や待遇面では日本精工やNTNといった軸受メーカーの方がオススメですね。

もし、工作機械メーカーに就職したいのなら熱力学専攻の研究室に進むのがオススメかもしれません。
工場見学や採用担当者との話の中でも熱変位の計測、修正が加工精度に大きな影響を与えると聞きました。どうしても加工の際には熱が発生し金属が変形するのでその変形分の修正が必要になってきます。
研究室で熱遷移に関する研究をしていました!となれば評価は高くなるかもしれません。そうした研究をしたいのならば大学院進学は必須ですね。
理系で学部就職自体が既に少数派なのでとりあえず大学院進学をオススメします。学部就職の場合、生産技術や技術営業として採用される可能性がありますから。
最初から文系就職狙いなら学部卒で十分です。

工作機械メーカーはホワイトなのか

少なくとも労働基準法に違反しているようなことはないと思います。接客業ではないので顧客に振り回されることは少ないはずです。
技術営業職などは客先でトラブル時に呼び出しがかかる可能性があります。ここについては生産技術職と同じようなものです。
企業説明会ではどのメーカーも「残業代はきっちり払ってます」と念押ししてましたね。少なくともブラックではないと思います。
転職サイトの口コミなどを見ると給料が安いなどの意見がちらほら見受けられます。業界全体として好待遇ではないと思います。

私の研究室同期が工作機械メーカーに内定を頂いたので待遇面などの話を聞けたら皆さんにも伝えたいと重います。
設備投資の対象なので繁忙期はかなりはっきりしていると思います。予算が下りないことには設備投資はできないので四半期決算のタイミングや年度の変わり目は忙しいでしょうね。
そうした意味では残業時間の振れ幅が大きい業界かもしれません。

以上、19年卒就活生が語る工作機械業界でした。

-就職活動

Copyright© アリトシの20代から始める資産運用 , 2019 All Rights Reserved.